The Longest one-way Ticket ~最長片道切符の旅・2005春~


カテゴリ:切符の話( 3 )



切符の話 3日目

2月1日 突然の電話で目が覚める。電話に眠気眼ででると、JR東日本のKさんからであった。
「ご注文いただきました切符、完成いたしました。大変お待たせいたしました。」というKさんの明るい声で一気に目が覚める。
「ありがとうございます。さっそく、お尋ねしたいと思います。」
「はい。では、ご注文いただきましたみどりの窓口においでいただきまして、私の名前を言えば、通るようにしておきます。」
「では、Kさんを呼べばいいのですね。」
「いえ、私は今日は非番なもので…」
なんとKさんは、非番の日だというのに、この切符の完成を知らせるために電話してくれたらしい。もはや、頭が上がらない。

実は、Kさんと電話のやり取りをしたのは今日だけではなく、以前にも2回ほど電話をいただいた。いずれも、最長片道切符のルートに関する確認の電話であった。丁寧な対応に感謝するしかない。そして、今日という日を迎えた。お礼をしたいと思っていたのだが、Kさんが非番であるのなら、仕方がない。だが、この場を借りてお礼を申し上げたいと思う。

さて、さっそく服を着替えて東京駅へ向かう。注文した日は小田急線に乗っていったので、今回は東海道線を利用することにする。最寄り駅の湘南台から小田急線で藤沢へ向かい、JRに乗り換える。やってきたのは、113系であった。113系は東海道線に昔から走っているオレンジと緑色を纏った電車であるが、新型車両の導入に伴い、再来年の引退が決まっている。平日の昼時ということもあって、東海道線は空いており、難なく座れた。「最長片道切符」を受け取りにいくのだなという気持ちもあってか、東京までの時間がいつもより長く感じた。

東京駅に着くと、珍しい新幹線が止まっていた。200系F編成だ。このF編成は2階建て新幹線として有名だった100系と同じシャープな顔をした200系の事。もう数も少なく、臨時列車以外には投入されておらず、滅多にお目にかかれないのだが、うまい具合に東京駅に止まっていた。なんだか、幸先がいい感じでうれしい。

さて、さっそく東京駅八重洲中央口のみどりの窓口へと向かう。今日も、時間帯がよく、並んでいる人は少なく、直ぐに順番が周ってきた。意外にも外国人の方が多い。呼ばれた窓口で早速、「以前、注文していた切符が完成したとKさんに言われてきたのですが」と切り出したら
窓口嬢は「少々お待ちください」といって奥へ引っ込んでしまった。また、待たされる。この時間が異常に長く感じて、しかも後ろからの視線も気になる。急いでいる人にとっては長時間窓口を独占している私は、迷惑極まりないに違いない。こちらとしては、個人的なことで独占している部分もあって、心の中ではひたすら頭を下げるしかない。

5分くらいたって、ようやくお目当ての切符が姿を現した。なんと、A4の紙にずらりと通る経路が書いてある。特大サイズだ。こんなに大きい切符は見たことがない。
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学割証明書を提出して、現金で支払う。7万円強。払う瞬間は、高いとも安いとも感じなかった。ただ、払っているのだ。これで、スタートラインにたったのだ、という気持ちが全身を凌駕していた。お釣をもらった後、
「お手数をおかけしました。どうもすいませんでした。」と頭を下げ、みどりの窓口を後にした。

東京駅内のカフェで、コーヒーを飲みながら、最長片道切符をしげしげと眺める。通るルートと乗り換え駅がびっしり書かれている紙を眺める。なんだか、実際通るという実感がなかなかわかない。本当に、私はこんな所を通るのか?とも思ってしまった。なんだか変な気持ちである。さっきから、気持ちの入れ替わりが激しい。

さて、帰りも東海道線113系のお世話になる。品川駅で、3月1日のダイヤ改正で消滅する寝台特急「あさかぜ」と「さくら」の車両が整備されている姿を見るなど、昼時の東海道線沿線の風景を楽しみながら、再び湘南台へと帰った。

自宅で、もう一回切符を見てみる。この切符で12000キロも旅をするのだと。自分はスタートラインに立っているのだと。色々な思いが頭の中を巡っている。
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by sojo_skyline | 2005-02-04 01:07 | 切符の話


切符の話 2日目

1月23日(日曜日)。今日は、最長片道切符を注文しようと決めた日。実は友人のT君に頼んで、ぜひ、みどりの窓口に私が最長片道切符を注文する瞬間をデジカメに収めてもらおうと思ったのだ。この日の前に、T君にこの旨を頼んだところ、2つ返事で引き受けてくれた。T君は、専門学校に通う傍らで新聞奨学生として毎日、新聞配達に励んでいる。平日と土曜日は、朝刊と夕刊の両方を配達しなければならないため、なかなか時間がつくれないのだが、日曜日は朝刊しかないので、昼間はフリーである。そんなこともあって、日曜日である23日が切符を注文する日になった由。

さて、東京駅の八重洲中央口に14時に待ち合わせと約束したのだが、どうも緊張して寝つけが悪く、7時には目が覚めた。「自分は本当に最長片道切符を頼むだな。行くんだな。」と自問自答をし、決意が変わらないことを確認。昨日印刷しておいたルートを記した紙をクリアファイルに挟み、準備は完了した。しかし、まだ時間は9時を回ったところ。しかし、いても立ってもいられず、家を出ることにした。

自宅の最寄り駅である、湘南台駅に到着。しかし、どうやって、東京駅に向かうかを決めていなかったので、少し悩む。しかし、東京駅にはやはり東海道線で向かいたいと思ったのと、ひさしぶりに小田急に乗りたいと思ったので、小田急線で藤沢に出ることにした。各駅停車で藤沢着。すると、あと20分ほどで特急ロマンスカー、えのしま号の新宿駅が来るらしい。ということで、久々にロマンスカーに乗ることにした。さっそく、特急座席指定席券を購入。ひさびさのロマンスカーは、やはり快適そのもので、新百合ヶ丘から眠気に襲われ、気づけば、まもなく新宿に着くというアナウンスであった。

小田急線から中央快速線を乗り継ぎ、東京駅に到着。といっても、まだまだ待ち時間には程遠いので、東京駅周辺を散策することにした。まずは、日本橋。実はまだ行ったことがなかったので、足を伸ばす。

しかし、まだ時間があまったので、とうとうT君に早めに来てもらうことにした。T君はまだ、昼食をとっていたところらしく、悪いことをした。

さて、しばらく待って、東京駅八重洲口に彼の姿が現れた。彼に、デジタルカメラを渡し、JR東日本、八重洲中央口のみどりの窓口へ並ぶ。幸か不幸か、並んでいる人が少なく、窓口は閑散としていた。ゆえに、すぐに順番が回ってきた。
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窓口の女性に、例のルートを書いた紙を手渡した。
「あの…最長片道切符といいまして、稚内から肥前山口まで、この(ルートを記した用紙)ルートで切符を作って欲しいのですが」と切り出した。緊張で声が震えている。すると、窓口嬢は、困惑した様子をみせ(当然のことだが)
「あ、はい…これは… お作りするのにお時間がかかってしまいますが、よろしいでしょうか?」
といって、奥の事務室へと下がってしまった。後ろをそっと振り返ると、急いでいるサラリーマンがこっちをにらんでいる。こちらとしては、平謝りである。
5分以上待たされ、今度は男性の職員が出てきた。慣れたような口調で
「完成までには、かなりのお時間をいただきますが、よろしいでしょうか?」と尋ねられた。こちらとしては、それは分かりきっているので
「はい。よろしくお願いします。」と言うしかない。
「わかりました、それでは、連絡先とお客様のお名前を教えてください」
「よろしくお願いします。」
電話番号を記す手が震えていた。ついに、最長片道切符の旅にでるのだと。そういう思いが、体を覆い尽くしていた。

さて注文した後は、特に何もすることもないので、T君と交通博物館へ行くことにした。交通博物館は今後大宮に移転し、現在ある交通博物館は取り壊される事になっている。ゆえに、最後かもしれない交通博物館を多いに満喫した。

ふと外をみると、雪が降っていた…
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by sojo_skyline | 2005-02-03 02:26 | 切符の話


切符の話 1日目

日本の鉄道を代表するのがJR路線だ。元国鉄から引き継いだ路線を各地域の6つのJRが運営している。全JR路線は19844キロ(営業キロ・2005年2月5日現在)にも及ぶ。その全国津々浦々を走るJR路線を乗り継いで、一番長い距離を走るように経路を選択したものが「最長片道切符」ということになる。この選定作業が難しい。JRの営業規則というものも絡んでくるので、さらに難しい。ちなみに、私鉄を使うと別切符を作る事になるため、ルールではない。さらに言うと、全国を結ぶ私鉄というのはないということもある。

というわけで、通るべき路線を選定する作業をしなければならない。けれども、幸いなことに、すでに通るべきルートの選定は、プロジェクトLOPという東京大学鉄道研究会の方々が出したルートというのが最長ということになっている。これは、NHKで最長片道切符の旅が放送された際も紹介され、これを元に切符を作成していた。あれから、新路線は開通していないので、彼らの作成したルートを辿るということになる。御礼を言うのも、変だけれども、複雑な最長片道切符の経路を作成した彼らに敬意を称えたいと同時に、同じ旅をするものとして感謝したいと思う。

さて、ルートの選定は↑の経緯で問題ないのだが、どこで購入するかが問題となってくる。なんせ、通る路線と駅を切符に記すだけでも、かなりの仕事量となるので、切符を作る人にとってみれば、はた迷惑な話であることには変わりない。だから、忙しい駅や忙しい旅行社を避けようと心に決めていた。その旨を、研究室の仲間に相談したところ、
「小さい駅とかだと、切符を作成できない場合もあるし、たらい回しにされて、余計に時間がかかる恐れがある。旅行社だと、切符の規律に関して詳しくない人もいるので、それもリスキー。だから、やはりJRの大きな駅のみどりの窓口で買ったほうが安心だよ。」という助言をいただいた。ゆえに、東京駅のみどりの窓口で、切符を購入することにした。
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by sojo_skyline | 2005-02-02 06:00 | 切符の話

    

最長片道切符で行く日本縦断の旅
by sojo_skyline
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