The Longest one-way Ticket ~最長片道切符の旅・2005春~


第10日目 柏崎→糸魚川 被災地を行く…

昨夜、メッセンジャーで先輩と会話をしていると、注意を促された。
「被災地行っても、気軽に写真撮っちゃダメだよ。」
全くもってその通りである。なぜこういう会話をしていたのかというと、今日は新潟中越地震で大きな被害を受けた小千谷付近を通るからだ。ちょうど、小千谷付近の越後川口で飯山線の列車を2時間程待つ。その間に、被災地の状況を見ようと思っていたので、先輩から苦言を呈された。今日は神妙な面持ちで、旅をしないといけないと思う。

柏崎発8時38分の信越線の列車に乗車する。小雪交じりのあいにくの天気である。しかし、昨日のようには酷くない。車窓には相変わらずの雪原が広がる。9時18分、宮内着。

宮内駅は上越線と信越本線のジャンクション駅だが、意外に小さい駅だ。これまで通ってきたルートで、路線と路線が交わる駅、乗換駅に限って、意外に小さい駅が多い。しかし、構内をひっきりなしに貨物列車が行き来しているのを見ると、宮内駅も重要な拠点であるということをうかがえる。改札を出て、街を散策しようとしていると、上越線方面から、除雪車がやってきた。DE15という形式で、前後に除雪用の巨大なスノープラウをつけているのが特徴だ。最近の路線の除雪は、小型の除雪車を用いているのだが、それで対処できない時に、このDE15に代表される除雪車が活躍する。こういう列車のことを『特雪』と呼んで、追っかけファンは全国にも数多くいる。早速写真を撮って、その特雪好きな先輩にメールを送る。その先輩は、ちょうど廃止間近の名古屋鉄道岐阜市内線の撮影をしてらっしゃるところであった。

さて、そのDE15は再び上越線方面に出発していった。まだ、上越線の列車までは時間があるので、街をブラブラ歩く。いつの間にか、雪は止み空には太陽を拝む事が出来る。街を歩いていると、一軒の古い旅館が解体されていた。地震で被害にあったのだろうか。なんだか虚しさというか寂しさを感じつつ、解体作業をしばし見つめた。

宮内発10時11分。新潟中越地震で、被害にあった上越線はまだ時刻表どおりの運転をしていない。トンネルで落盤があり、複線区間を単線で運行しているためだ。車内に入ると、地元のおじさんもその話で盛り上がっている。その落盤のあるトンネルに近づくと列車はスピードを落とす。外を見ると、除雪作業をしつつ、復旧作業に勤しむ保線の人たちが多く働いていた。列車は徐行のまま、トンネルに入る。そのトンネルを抜けてしばらく行くと、壁が落ちた家やブルーシートを被った家などが見え、小千谷に到着した。列車に乗っていたほとんどの人が下車し、私の乗っている車両には、私だけしかいない。10時59分、越後川口着。駅に着くと、先ほど宮内駅に来ていたDE15がいて、少々ビックリした。どうやら、交換待ちをしていたようで、すぐに宮内方面へ走り去った。なかなか忙しい。

次の飯山線の列車は13時9分まで無く、2時間近くも待たなければならない。ゆえに、街を歩く事にした。
道路わきの雪はかなりの高さで、私の身長を超えている。豪雪地帯である証拠だ。駅前の道路を真っ直ぐ進むと、震災の被害にあったのか、壁が剥がれ落ちた木造の建物があったり、復旧作業の途中の建物があったりする。そのまま真っ直ぐ進むと役場があった。エントランスにダメージがあるのか補強がされている。役場を見つつ、さらに真っ直ぐ行くと国道に出た。国道沿いに歩いて、一本の路地に入る。車がひっきりなしに往来する国道沿いの喧騒とは裏腹に、路地は静かだ。ふと建物を見ると、建物の安全性を示した張り紙が貼ってあって、「要注意」や「危険」といったものが、あらゆる建物に貼られている。メディアからの情報だけでは知る事ができない、被災地の被害。なんともいえない気分になった。被災地の一刻でも早い復興を祈っている。

越後川口発13時09分の戸狩野沢温泉行の列車は、発車時刻間近になってやってきた。1分少々での折り返しで、乗務員の動きも慌しい。子供連れと数人の乗客を乗せて出発する。駅を出発すると右に大きくカーブし、魚野川を鉄橋で渡る。河岸では除雪作業の車が行き来している。今年は雪が多いから大変そうだ。飯山線沿線は豪雪地帯として有名で、昭和20年に7mもの積雪があったこともある。この記録は未だに破られていない。

列車は少しの山間部を進むと、日本一の長さの信濃川に沿う。ここから、飯山線の終着、豊野まで、列車は信濃川に沿って走る。日本一の大河ゆえに、その流れも雄大だ。雪とのコンストラクトがなんともいえない。戸狩野沢温泉着、15時6分。直ぐに長野行に接続して、出発。再び信濃川に沿って列車は進む。ゆっくり流れる信濃川を見ていると、人間の存在なんて小さなものなのだなんて思ったりもする。自然の前に、一人の人間など小さな存在。そして、その人間の持つ悩みなんてさらに小さなもの、大河の一滴に過ぎないのだと。そんな事を思いながら、豊野までの時間を過ごした。豊野着15時56分。

お昼を食べていないので、キオスクでパンを買って腹ごしらえ。豊野駅も小さな駅だが、待合室には石油ストーブがあって、温かい。そのストーブの前に、若い女性が座り込んで、携帯電話で寒い寒いと話をしていた。待合室は暑いくらいなのだが…

豊野発16時20分。信越本線直江津行。すでに、辺りは薄暗くなり始める。直江津着17時55分。今度は北陸本線の列車に乗り込む。この列車は、583系という寝台電車を改造した普通列車で、今もなお、収納されたベッドがそのまま残されている。ロックされて、寝台は引き出せないようになっているが、昔は特急形車両ともあって乗り心地はよい。ただ、古さは否めず、ガタがきている所も多々とある。

夜の北陸路を走って、18時31分、宿泊地の糸魚川に到着した。暗い空から雨が降りしきっていた…
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by sojo_skyline | 2005-02-24 23:23 | 旅行記

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最長片道切符で行く日本縦断の旅
by sojo_skyline
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